The Whoの感想でも書こうかね。

　17日のThe Whoの来日ライブに行って来た。その日のうちに感想を書こうと思っていたが、多分アレな感想になると思うんで追加公演の終わる今日まで控えておいた。

まず、ロジャーのヴォーカルがとてもよかった。この年で現役時代に劣らない、というか今のほうが良いんじゃないかとさえ思うほどだった。客の声援もロジャーを呼ぶ声の方が多かったと思う。
まあ普通のバンドだったらヴォーカルが一番人気というのは当たり前なんだろうけど、The Whoの場合メンバーが天才という名の基地外だらけ。故に、健康マニアの凡人であるロジャーは目立たなさ過ぎたわけで。元々リーダーだったのに一度はメンバーからバンドを追い出されるというバンドの物語の中でも悪役(ビートルズでいうポール、ビーチボーイズでいうマイク･ラブ)で、ヴォーカルに関しても否定的に言及されていた、というか僕もしていたのだが、そんなロジャーが愛の支配を歌っているのに感動した。やっぱり彼はソウルフルでカッコいいヴォーカリストだった。

ザックのドラムもまあカッコよかった。キースのドタバタさとケニー･ジョーンズのソリッドさの中間といった感じだろうか。確かに、Sister Discoはケニーのほうがいいなとか、My Generationは性急さが足りないとかいう不満も感じた。しかし、Eminence Front(この曲のイントロが流れたときの観客の反応がかなり薄かった。いい曲なのに)やWho Are Youのドラミングはオリジナルよりもカッコよかった。あと無法の世界のラストサビ前のあの盛り上がるトコのソロ(賢明なThe Whoファンならどこのことかわかるよね)もいい感じ。そう言えば、最近のオアシスのザ・ショック・オブ・ザ・ ライトニングにもあんな感じのカッコいいソロがあったよね。

まあここまでは良かったという感想なのだが、以下はほとんど恨み言なので閲覧にはご注意を。



　ピノ･パラディーノのベースだけど、My Generationのベースソロ以外はっきりと聞こえなかった。ジョンほどじゃないにしろピノだってThe Whoのベースを弾けるはず、ちゃんと弾いているはずなのにそれがよく聞こえないというのは残念だった。

そして一番残念なのはピートだ。ギタースマッシュが無かったからだ。もうこれが無かっただけで、それまで良かったはずの今回のライブが一気に駄目になってしまった。もうこれだけが残念で残念で、帰りの電車の中でテンション下がりっぱなしだった。今も低いよ。
いやそれ以外は良かったよ、元祖ウィンドミル奏法を生で見れたし、Eminence Frontのヴォーカルもロジャーとは違う凄みがあった。ああ、でもWho Are Youの椅子に座ってのソロは無かったなあ。ところどころミスってたし。　向井秀徳が80年代頃のガラスケースにみたいな所に入ってアコギを弾いているピートを見て幻滅したと話していたが、その気持ちが少しだけわかった。

あとこれは好みの問題だが、セットリストが不可解だった。何故The SeekerやRelayといった70年代のシングル曲を二つも入れるのか？他にやる曲あるだろうよ、恋のピンチヒッターとか恋のマジックアイとか。
今回のセットリストがどのアルバムから選曲されているか表にしてみると
My Generation:0(今回のMy GenerationはLive At Leedsヴァージョンぽいため)
A Quick One:0
The Who Sell Out::0
Tommy:5
60's Singles:2(今回のMy GenerationはLive At Leedsヴァージョンぽいため)
Live At Leeds:1
Who’s Next:3
Quodrophinia:2
Odds &  Sods:1
The Who By Numbers:0
Who Are You:2
70's Singles:2
Face Dances:0
It's Hard:1
Endless Wire:2
こんな感じになる。やっぱり60年代分が足りない。まあセットリストは最近のライブから予想していたし、好みの問題だからとやかく言うのはアホらしいのだが、僕にはどうしても満足できなかったのは確かだ。

なんだか残念すぎて、今度は外国まで見たほうがいいのだろうかｔか考えている。懲りないなあ。